深刻な金属アレルギーの問題をセラミックで解消しましょう

歯科治療が健康に及ぼす影響について

「詰め物をしてから口内炎が増えた」「原因不明の皮膚疾患がある」など、医療技術の発達により、歯科治療が健康に及ぼす影響が徐々に明らかになってきました。
特にアレルギーを引き起こす原因は、歯科治療の詰め物、被せものに使用される金属です。
実際、歯科材料を金属からセラミックに変えることで、原因不明の体調不良が改善した研究結果も増えてきました。

今回の記事は、そのような歯科と金属アレルギーとの関係をまとめています。少しでも気になることがあったら、是非当クリニックまでご相談ください。

金属アレルギーと歯科の関係

自己の免疫機能が「有害なもの(アレルゲン)」と判断した時にアレルギーは発症します。
特に金属アレルギーは、様々な金属が皮膚や粘膜に物理的、化学的な刺激を与え、赤みや腫れ、痛みなどを引き起こす病気です。歯科においては、歯の欠損部分を補う治療(補綴治療)、つまり「詰め物」「被せ物」「入れ歯」に金属が用いられてきました。
その歴史は長く、数千年前の義歯にも金の板や線が使用されていたほどです。

歯科における金属利用の危険度

歯科治療で使用される金属は「金銀パラジウム合金」「アマルガム」「チタン」など様々です。金属すべてにアレルギー症状が出るわけではなく、出にくい金属もあります。
インプラントで使用されるチタンはイオン化傾向が低く、金属アレルギーが出にくいといわれています。

歯科金属アレルギーの症状

歯科金属アレルギーの症状は、主に接触した部分に起こる「接触性皮膚炎」と口腔から離れた「遠隔部位の湿疹反応」があります。
特に口腔以外に発症する遠隔部位のアレルギー症状は、原因特定が難しくなります。

アレルギー性鼻炎や食品アレルギーといった別のアレルギーが関係している可能性、生活環境や自己免疫機能など、様々な要因が複雑に絡み合っているからです。
また近年話題になっているのが遅延型アレルギー。歯科治療が終了した数年後に、症状が出る方もいらっしゃるため、原因になかなか気づけません。

  • 接触性皮膚炎

    金属と接触した部分に炎症が起こります。特に口腔扁平苔癬(こうくうへんぺんたいせん)が発生している場合は注意が必要です。
    自覚症状は患部に触れると痛みを伴い、進行すると食事もしみるようになります。水疱や腫瘍ができることもあり、口腔内の粘膜が白色に変色し、周囲に赤みが見られることがあります。

  • 口腔から離れた遠隔部位の湿疹反応

    歯科との関連性を見分けることが難しい症状です。
    手のひら、足のうらにできる掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、水ぶくれ「水疱(すいほう)」やうみ「膿疱(のうほう)」がくり返しできる病気です。膿疱の中に菌は入っていないため、人に感染することはありません。
    全身に蕁麻疹、湿疹、水泡、かゆみ、皮膚の紅斑が発生します。

  • 遅延型アレルギー

    唾液に含まれる酵素によって、少しずつ金属イオンが溶け出します。
    体内に蓄積された金属イオンが血液と一緒に全身を巡り、許容範囲を超えると数年後にアレルギーを発生することがあります。

  • その他

    歯周炎、口内炎、舌炎も金属アレルギーの関連性があることが分かっています。

金属アレルギーが気になる方へ

金属アレルギーをお持ちの方にも安心して使用できる素材があります。それがセラミックです。
素材は陶器でできており、強度があります。色合いも天然歯と似ているため自然な透明感があり、他の歯の色とも馴染みやすいです。メタルフリーで「金属のように溶け出す」「変色する」「傷がつく」などの心配もなく、長く使い続けることができます。
セラミックは、体に影響を与えない、見た目が美しいなど、本当の審美性に優れた素材といえます。

まとめ

歯科と金属アレルギーの関係は、歯科材料として金属が持つ歴史の長さ、病因病態に不明な点が多いことから、まだまだ研究が進められている分野です。そして、金属アレルギーの方に対応できる、セラミックやメタルフリー素材も開発が進められています。
一方で、歯科材料の金属がアレルギーの原因になっていることを、ご存知ない方もまだ多くいらっしゃいます。この記事を読んで心当たりがある方、お口や体の不調が歯科の治療歴、病歴と一致するなど、少しでも気になることがあれば、是非ゆざわや歯科へご相談ください。