歯医者の「痛くない治療」はどうやっている?

痛みを減らす具体的な方法について

当院ではできるだけ多くの方に安心して治療を受けていただけるように「痛みの少ない治療」をスローガンに掲げて治療を行っていますが、「痛みの少ない治療」というとどんなことをしているのか気になるという方も少なくないかと思います。
そこで、今回は当院で行っている具体的な治療の工夫についてご紹介しましょう。

「痛いから治療に来ない」は歯医者が解決しなければならない課題

歯の痛みというのは人間の感覚の中でもとりわけ刺激が強く、進行した虫歯の痛みは皮膚病の「ひょうそ」とならんで最大級とまでいわれているほどです。同じように歯医者の治療も非常に痛いというイメージを持っている方はとても多いようで、治療の必要があるのに歯医者に行かない理由を尋ねたら、おそらくですが「痛いから」とか「怖いから」といったシンプルでとても強力な理由が一番上に来るのではないかと思います。
「治療しなければいけないのに怖くて治療に踏み切れない」という状況はとても望ましくない状況です。虫歯や歯周病はそのまま放っておいても悪くなる一方で最後には歯を失ってしまう病気ですから、「怖くて歯医者に通えない」のは患者さんにとってこれ以上ない不利益です。イメージにとらわれることなく、歯医者に通えない患者さんを居なくすることは歯医者にとって非常に重要な課題だといえます。

さらに歯科の世界では、「予防歯科」という考え方が一般的になってきました。これは虫歯や歯周病になってしまうのを未然に防いだり、なるべく早期に発見して治療をしたりすることで、生涯にわたって歯を守るために非常に有効であることがわかってきています。
この予防歯科は、とくに治療の必要がなくても定期的に歯医者に通ってもらうものですから、歯医者に抵抗なく通える人ほどお口の健康状態が良いという状況になりかねません。ですから、歯医者嫌いの人でもできるだけ気持ちよく、何度でも通いたくなってもらえるような工夫をすることは、とても大事なことなのです。

痛くない歯医者を目指す当院の取り組み

当院では、ご紹介するような方法で「痛みの少ない治療」にこだわりを持って取り組んでいます。

当院の「痛みが少ない治療」のアプローチ

  • 1.極細の麻酔針

    治療の際には麻酔をするのですが、この麻酔を施すこと自体に痛みを感じてしまう人も少なくありません。そこで当院では、よく使われている27G(0.4mm)よりも細い33G(0.26mm)の注射針を使って麻酔を注射しています。 これは糖尿病の患者さんがインスリンの自己注射を行うときにも使われている注射針で、太い物に比べると刺激が少ないのが特徴です。

  • 2.表面麻酔

    麻酔針の痛みをできる限り少なくするために、麻酔の注射をする前に表面麻酔を塗布しています。これは塗るタイプの麻酔薬ですから、とりわけ痛みに敏感な人でも安心していただけると思います。

  • 3.振動の少ない切削機

    痛みと並んで歯医者のイメージを怖くしてしまっているのが、“独特の音”と“振動”ですから、タービン(歯を削る道具)の使用を最小限にとどめたり、振動が少ないタイプのタービンを削って治療を行っています。

  • 4.ドックスベストセメント治療

    当院では、虫歯を削るのではなく、虫歯の部分に薬剤をつめて殺菌する治療法を行っています。これは従来の方法に比べて歯を削る量を少なくすることができるので、治療にかかる痛みを軽減することができます。持病がある高齢の方や、妊婦さんにも使うことができます。
    ただし、ドックスベストセメント治療は保険が適用されないことにご注意ください。

歯医者が苦手な人も安心してお越しください

歯を削るときに痛みがないと判断できる場合には麻酔を使わないことが多いです。ですが、歯医者にとっては判断できることでも、患者さんにとっては痛みが出るかどうかは治療を終えて初めてわかることなので、治療中はなんとなく不安を感じてしまうかもしれません。そのようなときは、痛みを予防するという意味で麻酔を施すこともあります。少し趣が違いますが、これも「痛みが少ない治療」のひとつの方法です。

このように「痛みの少ない治療」といってもいろいろな方法があります。ご不明な点があれば遠慮なくお問い合わせください。また、どんな治療法をとるにしても、大切なのは患者さんと十分お話して安心して治療を受けていただくことだと考えています。治療にかかるストレスがなるべく少なくなるようにできる限りの配慮をしていますので、歯医者が苦手だという人も安心してご相談いただければと思います。